2013年12月5日木曜日

インスタントラーメン正規調理法



 僕が通っていた小学校では、給食の時間に校内放送が流れていました。
 どちらにも放送クラブや放送部などはなく、放送委員や放送係に就いた児童がその役を担っていたのだと思います。

どのような内容の放送だったか、今思い出そうとしてもなかなか引き出せません。
ただおそらく、小学校では主な運営は先生が行っていて、児童は「おしらせ」を読み上げるようなことをしていたような気がします。
それにしても記憶も相当に薄らいでいます。そのなかから、思い出したことがあります。

それは、若い男性の先生が、おいしいインスタントラーメンの作り方について話をしたことです。
ただ、微かな記憶を呼び起こしたので、忘れている部分を無意識に補っていたり、別の出来事が混ざっていたりするかもしれません。

その曖昧な記憶からすると、当時の給食時校内放送は、先生が持ち回りで何か話をしていたような気がします。
他の先生が何を話したのか、全く思い出せないのですが、おそらく”真面目”なことが多かったのではないかと思います。
だからこそ、”おいしいラーメンの作り方”が印象深く、記憶にも残っているような気がします。

また小学生のころ、僕もよく袋詰めのインスタントラーメンを作っていました。だから、先生のラーメンの作り方に関心があったのだと思います。
しかし、先生がどんな作り方を話したのかよく覚えていません。
『ゆで上がる直前に水を足すことで麺がしまっておいしくなる』
そんなことを言ったような気もするのですが、別のところで耳にした記憶だったようにも思います。

それにしても、目新しいことはなかったというか、特段変わった作り方ではなかったような気がします。
”なんだ、普通じゃないか”という印象を受けた覚えがあります。
水を加えることは、自分でもすでにやっていたと思うのです。

ただこうして書いていると、インスタントラーメンの作り方は、特段変わったやり方など、そうそうあるものではないような気がします。
水の代わりに牛乳を使うとか、油であげるとか、やきそばにするなど、”普通のインスタントラーメン”ではないものを作るのでしたら、色々と特別なことが必要だと思います。
しかし、”普通のインスタントラーメン”を作るときに、”ちょっと変わったこと”をするとなると、水を足すくらいのことしかないような気がします。

僕がはじめて袋詰めインスタントラーメンを作ったのがいつごろだったのか、よく覚えていません。漠然と子供のころとしかいえないのです。
それでも、はじめは袋に書かれている「作り方」を忠実に守っていたような気がします。そして慣れてくると、少し変わったことをしてみたくなり、茹で上がる直前に水を足してみたのだったと思います。
それでどのような違いがあるのかは別として、”自分なりに変わったことをしてみた”ということで、”おいしくなった”と思い込んでいたのだと思います。

ところで、インスタントラーメンの袋に書かれている「作り方」は、僕の子供のころと変わっている点があるようです。記憶と個人の印象だけで書きますので、思い違いや勘違いがあるかもしれませんが、僕が子供のころは麺が茹で上がったら、そこに粉末スープをいれると書かれていたように思います。

それがいつごろからだったか、麺をゆでている間に、器に粉末スープをお湯で溶いておくというやり方になっているような気がします。
麺をゆでたお湯を、スープには使わないということです。そのほうがおいしいという話を聞いたような気がします。

僕は子供のころからその作り方をしていました。”そのほうがおいしい”という意識はなかったのですが、麺をゆでるお湯の量を正確にしなくても済むからです。
お湯の量を計らずに麺をゆで、そこに粉末スープを入れると、濃すぎたり、薄すぎたりしてしまいます。
あらかじめ器にスープを溶いておくのであれば、お湯の適量はわかりやすいものです。
麺をゆでるお湯の量は、正確にする必要がありません。

それと、ポットが普及したことも、作り方が変わった理由の一つのような気がします。それがない時代、麺をゆでるお湯とスープのお湯を別にするには、鍋で麺をゆでながらやかんでスープ用のお湯を沸かさなければならないと思います。
それが、麺をゆでながらポットのお湯でスープを用意しておけるようになったことも、「作り方」が変わった一因なのかもしれません。