2013年12月6日金曜日

牛乳と醤油



「牛乳でインスタントラーメンをつくるとおいしい」
ここでは何回か書いているのですが、書いた覚えはあるものの、どのような内容だったのか正確に記憶していません。
そのため、以前に書いたことと、今回書くことが違っているかも知れませんが、改めて記憶を紐解いてみます。
はじめて牛乳で作るインスタントラーメンについて耳にしたのは、数十年前に聞いていたラジオの深夜放送だったような気がします。

『本当だ。これはおいしい。スープがポタージュやシチューのようになるんだ』
 実際に作ってみてそう思ったものです。
そして、牛乳の分量をいろいろと変えて作ってみました。
牛乳の量が多いほどシチューのように、濃厚な風味と食感になります。水も加えて牛乳の量を少し減らすと、ゆるめのポタージュのようになり、どちらもそれぞれにおいしいかったと記憶しています。

それが数年前、カップ麺を牛乳でつくるとおいしいという話を耳にしました。
僕はカップ麺を牛乳で作ったことはありません。
袋入り即席ラーメンを何度となく牛乳でつくっていながら、それをカップ麺でやってみようという発想は湧かなかったのです。

そして、牛乳で作るカップ麺が発売されたと聞きました。少し前のことですので、今でも売られているのかわかりませんが、なんとなく『ここまできたか』という印象を持ちました。
何十年も前に耳にした”ちょっとかわった食べ方”が、とても長い時間を掛けて広がり、”一般的な食べ物”になりつつと感じたのです。

「アイスクリームに醤油をたらすとおいしい」
このことについても、何度か書いています。これも記憶が定かではありませんので、以前とは違っていることを書いてしまうかもしれません。
改めて記憶を辿ってみると、この話をはじめて知ったのは、小学生のころ読んだ科学マンガだったように思います。

アイスクリームにほんの一滴たらすと、コクがでておいしくなると書かれていたように思います。詳しいことは忘れてしまいましたが、醤油の成分とアイスクリームの成分による効果だったような気がします。
あの頃、僕は実践してみて、確かにおいしいと思ったものです。そしてこのときも”凝り”ました。醤油の分量を色々と変えて食べてみたのです。

『醤油の味がしないほど少量でなければならない』
色々と試してみて、そう思いました。
あくまでも醤油とアイスクリームの成分によって、コクがでておいしさが増すのです。醤油の風味を感じてしまうと、それはアイスクリームの味とは合わないと思ったのです。
つまり、本当にほんの1~2滴たらすだけということです。
それ以上の量を掛けてしまうと、おいしくないというか”変な組み合わせ”になってしまうのです。

あれから数十年が過ぎ、「アイスクリームに醤油をかけるとおいしい」など、すっかり忘えていたころ、テレビで取り上げられた様子を目にしました。
れから、数年おきに何度か見たような気がします。そのほとんどは、出演者が実際に試していたのですが、大概は不評だったと思います。
みな明らかに、醤油をかけすぎているのです。

『醤油の量が多すぎる。それではダメなんだ。醤油の味が感じられるほどかけてしまっては、変な組み合わせになってしまう。それでは本当のおいしさがわからないんだ』
僕はテレビをみながら、そう思っていたものです。

それが最近では、アイスクリームにかける専用の醤油があるそうです。
少し前に耳にしたことですので、インターネットで検索してみると、ショッピングサイトで販売されていました。どうやら、ほんの一滴たらすというものでないようです。
つまり、アイスクリームにある程度の量をかける醤油として開発されたものだと見られます。
アイスクリームがみたらし団子のような風味になるそうです。

それをみて、少し面白いことだと感じました。
『アイスクリームに醤油をたらすとおいしい』
『でも、醤油の味がするほど掛けてはいけない。つまりそれは間違っている』
僕はそう思っていたのです。
それが、アイスクリームに合う味の醤油が開発され、販売されているのです。
なんとなく、”間違い”だったことが、別の方向に広がったという印象を受けました。
それが、面白い現象だと感じたのです。