2013年12月24日火曜日

クリスマスの夜



『クリスマスは恋人と恋愛気分を満喫する日』
日本ではそのような印象を持っている人が多いように感じます。
固定観念になっていると思うこともあります。

しかし、クリスマスに異性と交際していない人も、少なからずいると思います。
そういう場合の固定観念もあるような気がします。
『クリスマスは恋人がいない寂しさに浸る日』
『クリスマスは恋人たちを妬む日』
『クリスマスは恋人がいないことを自虐する日』
『クリスマスは恋人なんていらないと強がる日』
『クリスマスは恋人なんてできるはずがないと開き直る日』

1~2年前にみたテレビでは、クリスマスとキリスト教の関係について知らない若者がいることを話題にしていました。
街角で若い人たちに「クリスマスって何の日か知っていますか?」とマイクを向け、「カップルの日」という意味合いの答えが返ってくる様子が流されていました。

それは、近年の日本のクリスマスに対する”受け止め方”を表しているような気がします。
若者のなかには、クリスマスは「昔から恋人のイベント」だったと思っている人もいるのだろうと思います。
ただインタビューでは、そう答えながらもキリスト教に関する意味を知っている人もいたかもしれません。
知っていながらも、今の日本で多くの人が抱いているクリスマスの”受け止めかた”を答えていた若者もいたような気がします。

僕は外国のことはわかりませんが、欧米では日本ほどクリスマスと恋愛を強く関連付けている雰囲気はないと聞きます。
ただそれでもいいと思います。外国を同じようにすることもないと思います。その国なりのクリスマスの雰囲気があっていいと思うのです。

 日本のクリスマスケーキはスポンジケーキとクリームとイチゴで作られています。夕食には七面鳥ではなく鶏のから揚げを食べることが多いようです。
それは欧米のクリスマスとは違うかもしれませんが、この国ではすっかり定着していると感じます。

また今の日本では、広く浸透しているクリスマスのイメージは、恋愛が関わっているような気がします。
個人的に、今年は家族と楽しく過ごすクリスマスの様子を目にすること多いような印象があります。
あまりにも恋愛に寄り過ぎたクリスマスの印象に対する反動なのかなという気もします。
それにしても、善し悪しで語ることではないような気がします。

クリスマスには、クリスマスにしか感じられない独特の雰囲気があるような気がします。
その感じ方はそれぞれだと思います。
人それぞれでありながら、この時期にしか感じられない空気があると思うのです。
ただなんとなく、クリスマス独特の空気には、心持をよくする効力が含まれているような気がします。
誰もがそんな空気に触れて過ごすことが出来たらいいと思います。

『静かで、ひそやかで、冷ややかで、妖しく、それでいながら清らかでもある』
夜には、そんな印象があります。
個人的に夜は好きです。
しかし子供のころはそうではありませんでした。闇が怖かったのです。
夜が好きだと思うようになったのは、大人になってからです。

夜が好きだと、明確に認識していませんでしたが、学生時代、深夜放送を聞きていたころから、夜に対して好ましい感覚を抱いていたような気がします。
人びとが寝静まっている夜は静かで、そんななか起きていることは、なにか特別なことをしているように感じたのかもしれません。

また、大勢で夜通しさわぐことも、楽しいものだと思います。他人に迷惑をかけてはいけませんが、多くの人たちとにぎやかに過ごすにしても、昼間とはなにか違っているような気がします。
また、静かな夜に、二人で同じ時間を過ごすこともいいと思います。
また、夜に一人でなにかを想っていることも、いい時間を過ごしているような気がします。

クリスマスの夜は、普段の夜とは空気が少し違うと感じます。
妖しさが薄れ、清らかさが広がっているように感じます。
冷ややかさが弱まり、穏やかな温かみを感じられます。
そんな夜だから、感じられることがあるような気がします。
誰か一人のことを想ってもいいと思います。
大きなことに想いを広げてもいいと思います。
クリスマスの夜は、それらの想いをよい方向に導いてくれるような気がします。