2013年12月1日日曜日

あまりにも遠く、あまりにも大きい



 宇宙は、人間にとってあまりにも遠く、あまりにも大きいと感じることがあります。
宇宙について、人間が知っているのは4%だけだといいます。専門的なことはわかりませんが、宇宙の質量を成す96%は、いまだ解明できていないそうです。
改めて、人間にとって宇宙は手が届かないものだと感じます。

そのわかっていない96%を言い表すのに、「暗黒」という言葉が用いられるそうです。「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」です。
「暗黒」というと、なんとなく”よからぬ”印象を受けます。科学的、数学的な用語ではなく、あくまでイメージなのですが、”負のちから”を漠然と感じます。
”存在を吸い込んでしまう”とか”なにもかも無にしてしまう”というイメージです。

英語では「ダークマター」と「ダークエネルギー」と表すようです。
これもまたあまりいい印象を受けないような気がします。これらのことはインターネットで読んだのですが、その記事にも「まるで特撮ヒーローの悪役に使われるようだ」と書かれています。
僕もまさにそう感じました。
「ダークマター」は、いかにも悪の組織やその幹部の呼び名で使われそうな気がします。
「ダークエネルギー」は、文字通りその悪の組織の活動の源や、悪の怪物のエネルギーのようだと感じます。

しかし、ここで使われる「暗黒」や「ダーク」に、『邪悪』という意味合いはなく『正体不明』を表すのだといいます。また『目に見えない』という意味もあるそうです。電波や光に反応しない物質は、人間の目では見られませんので、「ダーク」という言葉が使われているようです。

人間が情報を得る際、その多くを視覚に頼っていると聞いたことがあります。
そうなると、”見えないもの”や”見えない力”や”見えない場所”には本能的に、怖さを感じるのかもしれません。
意識せずとも”闇”を恐れるものかもしれません。
そして人間は、恐れる対称に”悪”という印象を持たせるものかもしれません。

それにしても宇宙の96%が人間にとって『正体不明』なのだと思うと、人間には手も足も届かないという印象が強くなります。
考えてみれば、地球で生まれ地球で暮す生き物にとって、宇宙はあまりにもかけ離れた環境という気がします。
以前書いたような気がしますが、地球で暮らしている限り、無重力の空間に遭遇することは、ほぼないと思われます。

自由落下する物体の内部は無重力になるそうですので、それを利用した無重力を体験する企画があると聞きます。航空機を自由落下のように飛ばすことで、その内部が短い時間無重力状態になるそうです。
実際に宇宙飛行士の訓練に使われていると聞いたことがありますし、テレビのバラエティー番組などでも目にしたことがあります。
それによると、一般の人が体験する企画もあるそうです。

確か、一回の体験飛行で七回ほど無重力を体験出来るのだったと思いますが、”無重力酔い”や”飛行酔い”になることもあるようです。
このように人間によって無重力の状態を作り出して体験することは出来るようですが、自然のなかで、偶然に無重力の状況に出くわすことは、まずないといえるような気がします。
また真空状態も、自然環境のなかで偶然に遭遇する可能性は極めて低いだろうと思います。

ところで、人間は地球上の生物のなかでも、自然環境に対する対応力が強いのではないかと思うことがあります。
人類はアフリカで生まれた一つの種が、世界中に広がっていったと聞きます。世界中といっても、地域によって自然環境は随分と違っています。
その地の環境で生まれて、その地の環境に適した種が、その地の人類に進化したのではなく、アフリカで生まれた種が別の地の環境に適応して生き延びてきたのだと思います。
それどころか、その地で生まれた種を滅ぼしたとも聞きます。

そのことから現生人類の祖先は、他の猿人に比べて、ずば抜けて高い環境適応力を持っていたのではないかと思います。
しかし宇宙空間の環境は、人間にとって自然に遭遇することは、”まずあり得ない”と思われます。
そう思うと理屈ではなく”とにかくすごい”と感じます。
理屈を考えると、宇宙空間における様々な研究は、決して地球では出来ないことであり、それはとても貴重だと思います。
その研究から”すごいこと”が導き出される日がくるかもしれません。