“新潟は色々な花が一気に咲きます”
そのような声は度々耳にします。個人的に毎年ゴールデンウィークごろからそれを実感しています。
ここ新潟市海岸平野部では、４月の終わりから５月の初めごろには桜の花は散っています。
それが県内山間地ではちょうどみごろになっている地域があります。
そのため、車でその地方に向かっていると、桜前線をさかのぼるような気分になることがあるのです。
この辺りではすっかり葉桜になっている時期、山間地にむかって車を走らせていると、三分くらい花が残っている桜の木を目にします。
そしてしばらくすると、葉も目立つのですがまだ半分くらいは桜の花が咲いている木が目に入ってきます。
さらに進むと桜は見頃をちょっとすぎた様子になり、さら山のほうに向かうとちょうど満開の桜があるのです。
舞っていたり、地面に散らばったりしている花びらの多さも、その場によって違っていて、桜が描く様々な風情を、少しずつ感じることが出来ると感じます。
それにそういう時に目にする花は桜だけでありません。
チューリップや水仙、それに僕では名前のわからない多くの花が咲いている光景を見ることが出来ます。
僕は特に花に関心があるわけではありません。名前を知っている花はほんの数種類です。樹木についても同じような感じです。
それに花をめでる感性のようなものも持ち合わせていないような気がします。
ただそれでも花をみると、とても単純にきれいだと思うことがあります。
多くの花は色彩があざやかだったり、豊だったりしていると思います。そしてその見た目には柔らかさを感じさせるものがあると思います。
それに、人は花から儚さを連想することがあると思います。
人間は花を見ると、なにかを感じるものなのかもしれません。きれいだと感じるのもその一つだという気がします。
そして、花が多ければ多いなりに、一輪なら一輪なりに、綺麗だと感じるような気がします。
桜の名所の多くは、とてもたくさんの桜の木が植えられています。そのたくさんの木々が一斉に花を咲かせるのですから、それは綺麗だと思います。
また散っている花びらは、まさに「桜ふぶき」だと感じることもあると思います。
それらは多くの花によって醸される風情といえるかもしれません。
日本人は昔からそれを堪能していたのだろうと思います。そして、その風情そのものと、風情を感じる心を守ろうとしてきたような気がします。
春先には、一面に菜の花が咲いている光景を目にすることがあります。
夏なると、広い敷地にひまわりが咲き誇っている風景を目にすることがあります。
多くのラベンダーが植えられた公園の様子を目にすることがあります。
僕は実際にそこに行ったことはないのですが、テレビなどで見るだけでも壮観だと感じます。そして、綺麗だと思います。
そのように多くの花が咲き誇っているのではなくても、花を見ると綺麗だと感じるものです。
一本だけの桜の木、土手に咲いた水連、歩道に置かれたプランターに植えられたチューリップ、名前はわかりませんが道端に咲いている小さな花、名前はわかりませんがいつくもの白い花を咲かせた樹木など、とにかく理屈ぬきに綺麗だという気持ちが湧きます。
また鉢植えの花や一輪挿しを見ても、気持が引かれるものだと思います。
花は理屈ではない部分で、気持に訴えるものかもしれません。
もう５月も半ばですので、山間地でも桜は見られなくなっていると思います。ただこれから咲く花も色々とあるのだろうと思います。
正しい知識がありませんので、間違っているかもしれませんが、あやめやつつじなどが見られる季節だと思います。
それからあじさい、あさがおと季節は移ろっていくのだろうと思います。
それにしても個人的に一年でもっとも花を感じるのは、４月末から５月いっぱいだという印象があります。
それは上に書いたようにいろいろな花が咲く時期だからかもしれません。
そして、匂いにあるような気がします。
この時期は空気の中に花の香りが混じっているように感じられるのです。
花の種類はわかりませんし、ただなんとなく感じるだけなので、花の香りが漂っているという感覚ではないのです。
ただ空気に花の香りが含まれているような気がするのです。
嗅覚がそれを捉えることで何かしらの感情を沸かせるのかもしれません。
植物にはアレルギーをもつ人もいると思いますので、匂いに対する感じ方も人それぞれだと思います。以前書いたことがありますが、僕は植物が発する匂いには、心地よさのようなものを感じることがあります。
田植えのころにはその匂いがあります。また夏になると道路わきの雑草を刈る作業が行われますが、その草の匂いを感じることがあります。
秋になると稲刈りの匂いが漂ってきます。それにキンモクセイの香はとても好きです。
それらの匂いが個人的にとても好きです。
