2014年5月2日金曜日

実物大

 実物大ガンダムについて、何度か書いたことがあります。僕は映像でしか見たことがありませんが、はじめて目にしたときは胸を躍らせたものです。
実物大ガンダムが飾られるのは、当初期間限定の予定だったような覚えがあります。それが一旦場所を移し、今ではまたお台場に置かれているようです。
 それだけ多くの人を引きつけるのだろうと思います。
 その人を引き付ける大きな要素が“実物大”だと思います。
 それは創作物であるガンダムに、現実感を与えるからかもしれません。
 そしてその現実感は、空想を膨らませるような気がします。

『あのコックピットに座ってみたい』
 実物大ガンダムを見たとき、そう思いました。
 実際にそれは出来ないようです。実物大でも操縦席は作られていないようです。
 ただ、テーマパークか遊園地には、ガンダムのコックピットに座ることが出来るアトラクションがあると聞いたことがあります。
 あまり詳しいことはわからないのですが、座席や計器、操縦かんなどを再現したのだと思います。
 おそらくガンダムに乗っている気分を味わえるのだろうと思います。
 それも興味をそそられますが、やはり大地に立っているガンダムの操縦席に座ることが出来たら、現実感は格段に強いと思いますし、空想も広がって相当に楽しいだろうという気がします。

 何度が書いたことがありますが、“ごっこあそび”の本質は空想することだと思います。
 ヒーローになりきること、それ自体空想によるものだと思います。そういう空想だけでも楽しいものだと思います。 
“ごっこあそび”は、ヒーローになりきり、そのヒーローが活躍することを空想することを楽しむ遊びだという気がします。
 風呂敷のマントや、ウルトラマンのお面や、仮面ライダー変身ベルトはなりきるための道具といえるかもしれません。

 またヒーローの人形やロボットのおもちゃを使った遊びも、空想することを楽しむ遊びだと思います。
 ヒーローが活躍する様子を想像しながら、人形やロボットを動かして楽しんでいるような気がします。
 そう考えると、ヒーロー変身スーツや仮面ライダーベルトや、人形やロボットも空想を広げる手助けをする道具といえるかもしれません。

 そして空想を手助けする道具は、物語の中で描かれた状態に近い方が、効果的だと感じます。
 僕が子供のころに遊んでいたヒーローの人形を今見ると、あまりかっこいい形だとは感じられません。
 しかし子供のころはかっこいいと思っていました。そして、頭のどこかで『おもちゃは、アニメと同じ形につくることは出来ないんだ』と理解していたような気がします。
 おもちゃを製造する技術では、テレビで見ているウルトラマンと同じ形のソフビ人形を作ることは出来ないのだろう。
また、アニメはあくまでも創作物であり、それをそのままおもちゃにすることは出来ないのだろう。
そのように受け入れていたような気がします。

 受け入れながら、空想で補正していたような気がします。
 テレビのなかのヒーローとは随分スタイルが違っているものの、それを想像で補正し、とてもかっこよく感じていたのだと思います。
 その点、最近の人形やおもちゃは、とてもスタイルがいいと思います。中にはテレビで描かれているヒーローよりもかっこいい形をしているものもあるようです。
 また非常に細部まで成功に作られていて、しかもやわらかい素材が使われているため、小さい突起が折れるなど、破損することもないようです。
 それらは空想を広げて楽しむには、効果的だと思います。
 
 アニメや映画で描かれた世界を精巧に再現したテーマパークは、物語に入り込むような空想を喚起するものだと思います。
 ジェットコースターなどのアトラクションも、空想する楽しみが加えられているような印象があります。
 精巧に再現された魔法学校などは、映画の世界に入った空想が湧き、それは楽しいことだと思います。

 ガンダムのコックピットだけを忠実に再現したアトラクションは、そこがガンダムの内部であることを空想して楽しめるのではないかと思います。
 ただもし実物大ガンダムの立像の操縦席に座ることができたら、より物語の世界に入った気分を味わえるような気がします。
 ガンダムの大きさでは難しいかもしれませんが、レイバーやアーマードトルーパー、オーラバトラーの大きさなら、コックピットまで再現された実物大模型を作ることが出来るのではないだろうか。

そんなことを考えていると、インターネットで実物大のイングラムの映像を目にしました。とても精巧につくられていて、『かっこいい』と思いました。イングラムの大きさからして、操縦席に座れるように作られているのだろうかと、ちょっと期待したのですが、どうやらそうではないようです。

ただ運搬用の専用車両もかっこよく作られていて、間近で見たら物語の世界に身を置くような空想を駆り立てられるだろうと思います。