2014年5月20日火曜日

機を逸した後で

 争いを収めたり終わらせたりすることは難しいと思います。
 ずっと昔からそうだったと思います。
人間社会は成熟し、複雑化し続けていると言われます。それによって争いは、収めることが出来なくなり、終わらなくなり、その傾向が強まっているように見えます。
 争いが長く続くことで多くの人たちが不利益を被っているように見えます。血を流し、命を落とすこともあると見られます。
 しかしそれでも争いをやめられないと感じます。

 争いが終わるには、いくつかの形があると思います。
 誰かが完全に勝ったといえる形になることはその一つだと思います。
 昔はそのような形で争いが終わっていたような気がします。
 しかし現代では、そんな形で争いが終わることは少ないと思います。
国が関わる争いが、そんな形で終わることなど、ここ半世紀以上ないような気がします。
 その間、世界には多くの争いが起きていると思います。しかし、その中に勝者のいる戦争や紛争はなど一つもないと思います。
 世界は複雑に関与しあっており、争いに勝ち負けなどつけられなくなっていると感じます。
しかし人間は争わずにいられないように見られます。それは無益なことであり。無益なことを続けるのは愚かことだといえるかもしれません。

 争いが終わるには、妥協しあうという形もあると思います。
 ただ昔からそのような形で争いを収めることは難しかったように思われます。しかし現代は昔より、格段に難しくなっていると感じます。
「いがみあっていても、お互いにいいことはないだろうが。適当なところで折り合いをつけるべきだろ。分け合うぜ」
「なんだと! こっちが全面的に正しいんだぞ。分け合う? なにずうずうしいこと言ってんだ! そんなの横取りじゃねえか!」
「向こうは妥協してくるさ。それこそが我々の勝利だ。そうだろみんな。」
「みんなが書き込んでいるとおり、我々が全面的に正しいのだ。一歩たりとも引くことはない。少しでも引いたら、それは敗北だ!」

“戦争は感情で起きる。それは昔も今も変わらない。民衆の感情。政治家の感情。怒りや自尊心や嫌悪感などで戦争は起きるのだ”
 そう考える人もいると思います。

 争いで妥協点を見いだせないのは、感情によるところが大きいと思います。
対立を続けても、お互いが得るものより失うものが大きい、それ知りながら妥協しない人もいると思います。
このまま争いを続ければ勝てる、そう信じて妥協しない人がいるかもしれません。しかし少し冷静に考えれば、そんなことはないとわかるかもしれません。それでも争いを続けている人もいると思います。

また、民衆の要求が明確ではなければ、妥協するもしないもないと思います。民衆が何を求めればいいのか、それすらわかっていないのではないか、という印象を受けることがあります。
よくわかっていないまま、感情を発散させ、それから要求を後付しているように見られます。
大国に編入することで、何がどのように変わるのか具体的に考えていないまま騒動を起こし、それが大きくなってから、ようやく具体的な要求を無理やりひねり出したのでは、順番が違うと思います。それでは争いを助長し混乱に拍車をかけるような気がします。

政治家も、何を求めるべきなのかわかっていないように見られます。それは国内の民衆の声に押されていることもあると思います。
しかし、政治家自身が感情に左右されていると感じることあります。利害や今後の影響を冷静に検討せず、とにかくこちらに引き寄せなければ負けたような気分になるので、強硬に編入したり、裏で炊きつけたりしたように見られます。
負けたような気分なることを避けるために、戦略性のない安易なやり方で手を出したということです。
しかも具体的にどのような形に持っていくのか冷静に検討されないまま、手を出してしまったため、引くも進むも出来なくなったと見られます。冷静に見ていれば、進む道など端からないことに気づけたと思います。

民衆も大国も着地点を決めずに飛び降りたと感じます。空中で降りる場所を探しても、適当な場所を見つけるのは容易でないと思います。

対立は感情を高ぶらせ、高ぶった感情は対立を激化させるものだと思います。
激化する対立は、一気に深刻化することがあると思います。誰の手にもおえないような事態も起こり得ると思います。そうなる前に沈静化しなければならないと思います。
“親しい国”や“連合”は、混乱している国の国内対立を抑える努力をするべきだと思います。それが大国や連合の利益になると思います。対立の激化は誰もが損するだけだと思います。

その国の国内を安定させるには、周辺国と大国の協力が不可欠だったと思います。
しかし時機を逃すと、もう“親しい大国”や“連合”でも抑えられなくなると思います。手遅れということです。
民衆の感情が高ぶり、それによって対立が激化すると、“親しい国”や“連合”でも抑えが利かなくなると思います。
すでに、他国が民衆を抑えられる時点は過ぎているかもしれません。それが出来る時機を逃したということです。

もしかしたらまだ何とかなるかもしれません。しかし何事もなく選挙が行われ、それ以降の政治が安定するなどと、多くの人が考えていないと思います。

予想することが難しい状況ですが、事態は一瞬で深刻化し激化することがあると思います。まだ手遅れではなかったとしても、一瞬で“親しい大国”も“連合”も“離れた大国”も手が付けられないことになるかもしれません。