2014年5月30日金曜日

いっぱい食べて大きくなるんだよ


 以前、人類が狩りを始めた頃のことを想像して、ここに書いたことがあります。
 大昔の人類は武器を使って狩猟をしていたと学校で習いました。おそらくあらゆる痕跡があるのだろうと思います。
 ただ大昔のことですので、わかっていないことも少ないと思います。それだけに素朴な疑問が浮かぶものです。それを空想するのは面白いことです。

 くわしい知識はありませんが、人類がどのようにして武器を使うようになったのか、
まだ解明されていないのだろうと思います。
以前ここに書いた空想は、人類は狩をするようになった早い段階から、投げる武器を使っていたのではないかという内容だったと思います。
もしかしたら、手で持つ武器より先に投げる武器を使っていたかもしれないと書いた覚えがあります。

人類は、まず手で持って打ち付ける武器を使うようになり、それから投げつける武器を生み出したとされています。
そこでふとした疑問が湧きました。手で持つ武器は、獲物に近づかなければ役には立たないと思います。しかし二足歩行する人類は、他の動物より走る速度が遅くなったと思います。
人類が二足で走っても、大きな動物の多くにも、小さな動物の多くにも、かなわないような気がするのです。
しかし獲物に近づかなければ、手で持って打ち付ける武器は使えないと思います。

そう考えると、まず石などを獲物に投げつけ、動きを止めたり鈍らせたりしていたのではないかと思ったのです。
そうしてから近づいて、手で持つ武器で仕留めたということです。
その武器の始まりは、自然のままの石や太い枝などをぶつけていたのかもしれません。つまり加工した武器ではなく、自然にあったものをそのまま使ったということです。
それでは仮に現在までその石が残っていたとしても、それが武器として使われたことはわからないと思います。
 
 やがて人類は自分で道具を作るようになったのだろうと思います。自然にあるものをそのまま使うのではなく、手を加えるようになったということです。
初期の加工は単純だったと思います。しかし次第に加工には手が込んできたと思います。
そして人類は石斧や石槍を生み出したのだと思います。
その斧や槍は、手で持って打ちつけたり突き刺したりするだけでなく、投げつけていたのかもしれません。
 つまり、手持ちと投擲の兼用武器だったということです。
 
もしかしたら、はじめは投げやすくするために、石に柄をつけたのかもしれません。それが手で持って打ち付けたり突き刺したりすることにも有効だったため、兼用するようになったのかもしれません。
つまり投げる武器が先に生まれたということです。

 それにしても武器を必要としたのは、人類の身体能力が他の動物より劣っていたことが理由の一つだと思います。
大きい動物にも小さい動物にも、人間は走って追いつくことは出来ず、また走って逃げきることも出来なかったと思います。
そのため、武器が必要だったのかもしれません。
 二足歩行によって人類は“手”を得て、脳を進化させたのだと思います。しかしその代償して身体能力を手放したのかもしれません。

 以前そのようなことを書いたのですが、それを思い出したのは、昨日インターネットで、ヒトの脳の進化は筋肉の退化を代償としているという記事を読んだからです。
 専門的なことはわかりませんので、記事を読んだだけでは勘違いや理解不足があるかもしれません。
どうやら、人類は脳で多くのエネルギーを消費するようになったために、筋肉が消費するエネルギーが減ったという研究結果があるようです。
それによって脳は進化したものの、筋肉は退化したと考えられるようです。

人類は、臓器によって進化の速度が違っているそうです。例えば腸は急速に進化したとのことです。またヒトにはサルから退化した臓器や部位もあるようですが、その退化の速度も臓器や部位によって違っているようです。
筋肉は、退化した速度が他の臓器に比べて突出して速いとあります。
そして脳は、進化した速度が極めて速いようです。
そのことから、脳と筋肉は同じエネルギーを消費していると考えられるようです。そうなると、脳が多くのエネルギーを消費するには、筋肉の消費するエネルギーは減らなければならなかったと考えられるようです。
すなわち脳が進化するには、筋肉が退化しなければならなかったということのようです。

また、人類の進化や文明の発展により、人間の生活が筋肉を使わなくても済むようになったため、筋肉が急速に退化したわけではないようです。生活による筋肉の衰えは、ほんのわずかだとみられるようです。

人間は強い筋肉を失って、大きな脳を得たのかもしれません。それは生物として生き延び、子孫を残すためだったのかもしれません。進化における多くの必然性と偶然性のひとつなのかもしれません。